「一般社団法人住宅生産団体連合会『住団連』Vol.331 令和4年春号」が届きました!
今回の特集は「防災・減災・レジリエンス」です。
毎回とてもおもしろい内容で、隅々まで目を通しています。
全員にとって大切な災害対策
最近、地震が多発しています。さらに今後、巨大地震が発生するかもしれません。
台風や豪雨による被害も毎年のように発生しています。
こうした自然災害に備え、住宅でできる対策は何かを考えていきたいと思います。
そこで今回はひとまず、地震対策を特集します。
『住団連』に寄稿された「地震に備える『安全に生活する家』とは」(中林一樹氏)で提示されたデータを参照しています。
阪神淡路大震災
1995年1月17日、午前5時46分52秒に起きた大地震。
近畿圏の広域が大きな被害を受け、6434人が犠牲になりました。
心よりご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の皆様、大切な方を突然亡くされた皆様に心より哀悼の意を表明いたします。
阪神淡路大震災における原因別の死者数
このデータを参照すると、「倒壊建物・転倒家具で圧死等」が一番多くなっています。
つまり、建物の倒壊や家具の転倒等により、ほとんどの方が15分以内に亡くなったとのこと。
このような悲しい事態を引き起こしてはいけないと、1995年にはさらに耐震改修促進法が立法されました。
(1981年に大きな建築基準法改正があり、これによって建築された建物は被害が少なかったようです。)
現在はさらに複数回の改正を経ていて、耐震強化によってさらに被害が少なくできると想定されています。
命を守るために、建物の耐震化って本当に大切なのです。
実は家具・家電も危ない
阪神淡路大震災時の原因別の負傷者数を見てみましょう。
約半数が「家具・電化製品の下敷き」となっています。
「ガラス・金属・建物の破片」と合わせると約70%。
以前、阪神淡路大震災を経験した人に当時の話をきいたことがあります。
その人は「災害時に一番大切なのは、自分が怪我をしないこと」といっていたのを思い出します。
病院には深刻な怪我の人が大勢いて、そうそうみててもらえるものではない。
救急車も道路状況によってすぐに来られないこともある、深刻な怪我の人優先。
怪我をしても、被災後、断水などにより傷口を清潔を保つことが難しいかもしれないし、その後の混乱で救急セットも十分に手に入るかわからない。
状況によっては、痛くても何しても、しばらくがんばるしかないかもしれない。
幸い直後の怪我を免れたなら、その後うっかり怪我をしないように。
とのことでした。
こうした怪我の場合は、「天井・柱・梁などの下敷き」を除き、新耐震基準の家だから大丈夫というものではありません。
日頃の備えが大切です。
「家具固定」どうする?
ところで皆さん、何階にお住まいですか?
(はい!私は5階です!)
家具って、こんなに動くのですね。
昨今は大型タンスをお使いになる方は少なくなってきているかと思います。
とはいえありますよね、キャビネットのような家具もお使いになっていない方は少ないかと思います。
私個人も、家のすべての家具固定してるし、と思っていたのですが、よく考えてみたら一部屋、していなかったことに気がつきました。
【図7】のグラフはあくまで「死者数」と「重傷者数」です。
とはいえ、大地震の際、大切なのは小さな怪我もしないこと、でしたね。
しますします、固定。
実は固定しようと思っても、最近の家(木造でもRC造等でも)は、居室の壁は「石膏ボードにクロス貼り」です。
石膏ボードに固定するのは少しコツがいります(ボードアンカー等を使用する、間柱等に固定する、外側にベニヤ等貼り付け、等)が、自分でも可能です。
私個人は、基本的に間柱に固定しています。
もし、大型家具を今後もずっと使い続けたいという方には、壁紙の張り替えをされる際または新築時に、「下地入れてください」とお願いしておくのがおすすめです。
自分でできない!という方は
自分でできない!という方は、どこか小さいリフォーム(トイレだけ、洗面台だけなど)をされた際に、一緒にお願いできないですか?ときいてみると良いと思います。
場合によっては別途お金がかかるかもしれませんが、工事のついでなら安くやってくれるはずです。
転倒防止器具?
固定までしなくても …という方は多いはず。
とはいえ、よく売られている「転倒防止器具」が気になっている方も多いですよね。
そういえば、転倒防止器具ってどうなんだろう?と調べていたら、背筋も凍る東京都のこんな資料を見つけてしまいました。
平成27年3月、東京都生活文化局消費生活部生活安全課により発表された資料です。
すみませんでした。します、します、固定。
今日起きるかもしれない大地震。
どうか皆様、対策をよろしくお願いいたします。