個人的に気になっている「木造の家は本当に環境に優しいの?」という論題をさまざまな観点から考えていく不定期連続コラム第2弾です!
前回は『住団連』の記事からこちらのブログ記事を掲載しました。
前回は「木造の家を何年間使うと二酸化炭素収支がプラスになりそう?」という観点から考えてみたコラムでした。
そして本日は、ウッドワンさんから「木の炭素固定」についてのメルマガの記事が送られてきました。
実はウッドワンさん、2022年春カタログから一部商品の「二酸化炭素固定化量」が表示されるようになりました!
子供の頃、「木は二酸化炭素を吸収して酸素を出すんだよ!」というような話を聞いたことのある方は多いかと思います。
今回の論点はここです!!
吸収した二酸化炭素はどうなるの?
木は光合成により二酸化炭素を吸収しますが、酸素に変換してくれるわけでも、消えてなくなってしまうわけではありません。
ただ、木の中に炭素を閉じ込めておいてくれるのです。
これを、木の炭素固定といいます。
(鹿児島県のホームページにわかりやすい説明がありました。)
木は加工されて材木になっても、さらに加工されて家屋になっても、炭素を閉じ込めて続けてくれます。
使用を続けている限り、炭素を排出せず貯蔵しておいてくれるということです。
ウッドワンさんが「木は、炭素の”貯蔵庫”」という表現を使っているのはそのためですね。
とはいえ結局、炭素を木や材木の中に閉じ込めておいてくれるだけなので、用途が済んで燃やしてしまうと再び空気中に放出されてしまいます。
木も呼吸をして二酸化炭素を排出している
木は光合成によって二酸化炭素を吸収しますが、もちろん木も生きているので呼吸によって二酸化炭素を排出しています。
それでも光合成による二酸化炭素吸収量のほうが通常は多いので、簡単に「二酸化炭素を吸収して酸素を出すんだよ」という説明になっているのだと思われます。
木は二酸化炭素を吸収し続けるわけではない
これも子供の頃に聞いた覚えがありますが、成熟した木は、成長期の木に比べ二酸化炭素を吸収しません。
林野庁のホームページにも、こちらのグラフが掲載されていました。
だからこそ、森林をきちんと管理し、成熟した木は収穫し有効活用し、また新しい木を育てる必要があるのですね。
林野庁も「最終的な吸収量は間伐をして間伐材を生産した方がより大きくなる」としています。
それに、間伐材を活用せずにそのままにしておくと「やがて腐朽して二酸化炭素として大気中に放出」されてしまいます。
だからこそ、間伐材をどう有効活用していくかも重要な課題になっているのですね。
林業は地球環境を守ってくれているとても大切なお仕事!
木材は大切になるべく長く有効活用しよう!
【参考文献】
株式会社ウッドワン『ピノアースカタログ(2022)』、https://www.catalabo.org/iportal/CatalogViewInterfaceStartUpAction.do?method=startUp&mode=PAGE&volumeID=CATALABO&catalogId=70678850000&pageGroupId=9&catalogCategoryId=&keyword=、(参照 2022年3月24日)
鹿児島県「かごしまCO2固定量認証制度について」、http://www.pref.kagoshima.jp/ad02/kurashi-kankyo/kankyo/ondanka/nintei/co2kotei.html、(参照 2022年3月24日)
林野庁「よくある質問」、https://www.rinya.maff.go.jp/j/sin_riyou/ondanka/con_5.html#Q3%20%E6%A8%B9%E6%9C%A8%E3%81%AF%E4%BA%8C%E9%85%B8%E5%8C%96%E7%82%AD%E7%B4%A0%E3%82%92%E6%8E%92%E5%87%BA%E3%82%82%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%81%AE%E3%81%AF%E6%9C%AC%E5%BD%93%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8B、(参照 2022年3月24日)