安衛法が改正されて、2019年2月1日から新規格のフルハーネスが義務化になりました。
でもまだ2022年1月1日までは古いものも着用OK!ではありますが、あと1年ですか …。

まだ大丈夫?!でも危ないものは危ないんですよ。

私は以前、先輩に叱られました。

気をつけます?
気をつけて事故が起きないんだったら、安全対策なんかいらないんだよ。

ええ。そのとおりですとも。毎度毎度面倒かもしれませんが …。
みんな、がんばろうね!

私は一足早く新規格のフルハーネスを購入し、講習も受講しました。

そういうわけで、既にお使いの方と日々情報交換する機会もあります。

それでこれまでにわかったことをまとめておこうと思います。
(あくまで個人の感想です。)

ちなみに長い記事になってしまうので、「こんなに読めない」という方は、現場で私を見かけたら聞いてください!
個人的にご説明させていただきます。

あとは、この記事の一番下の「まとめと注意点」を読んでね!

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フルハーネスは、高い!

ハーネスとランヤード、ものすごい高いんですよ。
ちょっと、びっくりしましたし、購入するのに勇気がいりました。
ちなみに私のセットでも、5万を超えております。
それでも、はじめにこれがいいかなと思ったランヤードにすると、トータル10万近くになりまして、断念しました。

命を預けるものだから、といわれても、ね。

ランヤードの使用期限は2年ですよ?

とはいえ、今日日、たとえばアマゾンなどで検索すると、わりと安いものも売られています。
正直、これが安いのかどうかわかりません(じゅうぶん高い)が、5万と思えば、安く感じられるのかもしれません。

人によっては毎日使うもの。
安い買い物ではないし、せっかく買うなら失敗したくないですよね。
例えばミドリ安全さんだけで、フルハーネス単体だけでも八種類もあります。
どれがいい?ってよくわからない、というのがあるかと思います。
一部をのぞき、なるべく特定の商品のこれが、ではなく、一般論の説明をしようと思います。
気に入った形のもののなかから、ご自分のご予算によって選んでください!

なーんにもこだわらない!という方は、新規格のなかの一番安いものがおすすめです。

ちなみに、一部のところでは、旧規格のものも売られています!
(2021年12月末までは販売可能です。)
なので、ひとまず絶対条件として、新規格のものを購入してください。

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ちなみに、私が使っているのはこちらです。

ハーネス本体もランヤードも毎度お馴染みミドリ安全さんのものです。

ハーネスはミドリ安全さんの女性用のハーネスで、ランヤードはリール式と伸縮式の2丁掛けです。

ショックアブソーバーは第一種です。
第二種はまだ、そうそう手に入らないみたいですね。

無理矢理にでも、上にかけるつもりなので、これでなんとか乗り切りたいです。
足元などに掛けたい方は、第二種でないといけません。)

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「使用可能な質量」に注意!

ちなみに、私のものは「100キロまで」となっていますが、これは体重ではなく、工具等も含め装備すべて合わせて100キロまで、ということです。

このランヤード、とくにリール式、すごく重いです。
最初ちょっと、これで一日仕事できるかなあと思ってしまったぐらいです。

体重80キロぐらいの人は、もっと上のもののほうが安心かもしれません。

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女性用のハーネスはこんなかんじ!

こちらの女性用ハーネスは、使えば使うほど、本当によく考えられているのがよくわかります。
「なんかかっこいい」とみんなにいわれます。
なんというか、おしゃれです。
たぶん一番気になるのは足のベルトのところだと思うのですが …こんなかんじです。
誰も撮ってくれないので自分で撮りました(笑)

足を曲げてもこんなかんじ。

後ろは自分で撮れなかったのですが、「広範囲メッシュでヒップラインが気にならない」という仕様になっています。
私は腰袋してしまうので、あまり関係ないのですが。

そして私の身長が低いせいかもしれませんが、公式の画像よりも「胸部メッシュ」が大きい気がします。お腹のあたりまできます。
せっかくなので、ポケットとかついていたら、ウェットティッシュとか入れておくのに(笑)

かなり使いやすいので、(お値段が許せば)おすすめです。

ちなみに、コベルコさんの教習所では、女性の参加者向けにこちらのハーネスが用意されていました。
そういうわけで、実習の時にぶら下がらせてもらったのですが、「痛くない」んですよ。
他の男性の参加者たちはみんなもれなく腿の付け根が「痛い痛い」といっていて、講師の方にも「痛いでしょ?」といわれたのですが、どうしよう、痛くない …。

保護パッドのおかげなのか?
作業の時にちょっとゴロゴロするなというかじゃまだなと思っていたのですが、きっと万が一の時のための仕様なのでしょうね。
上記の腿部分にも保護パッドついていますが、肩部分にもついています。


そういうわけで、万が一の時も安心そうです。

で、この上記の写真でわかったかもしれないのですが、私のものは、腿ベルトは「水平型」、ベルトは「ワンタッチ」、背中は「背ベルトX型」で「背部ネット付き」となります。

なんだそりゃ?という方に向けて説明していきます!

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「水平型」と「V型」?

これは股関節や腿のあたりのベルト(腿ベルト)の形の分類のことです。
腿ベルトには、大きく分けて「水平型」と「V型」があります。
これは見た目がかなり違います。
(例えるなら「ブリーフ」と「ボクサーパンツ」みたいな。)

アイちゃん(ナマケモノ)

アイ建設のマスコットキャラクターの一人です。

アイちゃんがつけているハーネスも「水平型」です。

私のハーネスも「水平型」です。
「V型」と違って、ベルトが腿の付け根のところで斜め上にギュッという感じではないので、抵抗感が少ないかと。

実は「V型」はちょっと恥ずかしい。という声が多いそうで …。
(世界標準は「V型」のようです。)
正直、こんな事態は想像したくないのですが、下ネタで盛り上がる人がいそうというか、セクハラにあう人がでそう …です。
それでたぶん、日本独自の水平型が開発されたものと思います。

ちなみに女性用のハーネスは基本的にどこのメーカーのものでも、「水平型」が採用されています。

「V型」は、「しゃがみやすい」というのが一番の利点です。
水平型はゆるめないとしゃがめない、というのが難点ですね。
そういう意味では「V型」がよさそうです。

ただ、恥ずかしいからつけたくない、というのは本末転倒なわけで。
身につけたくなるデザイン、というのは大事ですよね。
最近、とみにそれを実感しております。
日頃おしゃれな作業服にこだわっていらっしゃる方には、「水平型」をおすすめします。
ついでに、おしゃれなカラーのものにしてみたら、かなりおしゃれです。

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「ワンタッチ式」と「パススルー式」?

これは、ベルトの固定方法の違いです。

カシャっと差し込むだけの「ワンタッチ式」と、ぐるっとひねって入れて引っ張る「パススルー式」とあります。
(画像は検索してください。)

これが「ワンタッチ式」です。

「ワンタッチ式」のほうが、つけ間違いがないので、安心です。
(個人的には「パススルー式」は難しくて断念しました。)
万が一の時、外れてしまったら意味がありません。
そして、確実に時短!

ただその分、お値段が上がるんですよね。

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「Y型」と「X型」?

背中側ベルトの形には、大きく分けて「Y型」「X型」とあります。
ランヤードをかけるD環のところで、Yの形にベルトが分かれているか、Xの形に分かれているかの違いです。

私のものは「X型」です。(アイちゃんのも「X型」です!)

もうすこしきれいにXになるように撮るべきでしたね。
Y型は、背中が1本線です。

X型だと、夏場の空調服のファンとぶつかってしまう、というのでY型を採用しているところも多いようです。
ただ、私の空調服もそうなのですが、たいていの空調服って、服の中にハーネスして、背中の穴からD環だしますよね??

いちいち脱ぎ着が面倒だから、空調服の上からハーネスしたいっていう方(たぶん)には、Y型がおすすめです。

それから背部ネットですが、正直これはあるとかなり便利です。
実は現場でうらやましがられるポイントのひとつです。

日々かなりの確率で、「違うところに手入れちゃった」という事態が起こります。
それに保管中、袋の中にクシャッと入れておいても、からまりません。
出してすぐ付けられるメリットは大きいです。

誰かが昔と今の「だっこひも」かと言っていましたが、そんなかんじです。

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ランヤード?

実際に引っ掛ける「ひも」のほうのことです。

こちらも、何もこだわりなし!という方は、新規格のフルハーネスとセットのもの、または「セットでお得」になるセットが良いかと思います。

あら安い!と思うと、「ランヤード別売り」ということもあります。
買う前によくチェックしてくださいね。

ただ、現場によって「2丁掛け必須」とか「リール式のみ可」とかいろいろあります。
現場ごと分けるのは大変そうなので、確認してみてください。

私のものは「リール式」と「伸縮式」の2丁掛けです。
(アイちゃんのは「伸縮式」の1丁掛けです。)

シートベルトと同じように、負荷がかかるとカシャッとロックされるリール式。
万が一の時、すぐに止まってくれるという利点があります。
それに移動の時は伸びてくれるので、行動範囲が広がって便利です。

たしかにリール式は便利ですが、かなり重いです。(私のだけ??)

それに、私みたいにゆーっくり移動する人には何の問題もないのですが、シャッシャッと素早くお仕事される方は、いちいちカシャっとロックがかかってイライラするそうです。

なかなか大変ですね。

まとめと注意点
  • 絶対に「新規格」対応のものを買いましょう
  • ランヤード、ハーネスの対応「質量」表記は、体重のことではありません。自分の使う装備、道具のトータルの重さを確認しましょう。
  • ランヤードの「ショックアブソーバー」は「第一種」推奨だけれど、職種によっては「第二種」(足元にフックを掛けざるをえない業種の方は「第二種」)
  • なんでもいい!という方は「新規格」対応の一番安いやつでOK
  • 道具はなんでも正しくきちんと使いましょう
  • しっかりメンテナンスをしましょう

※2022年1月25日編集しました。