2022年6月1日2日、石綿作業主任者講習に埼玉県伊奈町に行っていきました!
今年の4月から、あらゆるリフォーム工事の際、石綿事前調査結果報告が義務付けられましたし、来年の10月からは加えて「石綿含有建材調査者」の資格も必要になります。
実はこの「石綿含有建材調査者」講習の試験、事前の十分な知識がないと結構厳しいと方々からきこえてきます。
少々怖くなってしまい、ひとまず「石綿作業主任者講習」へ行き、アスベストについて一から勉強してきました。
今回は、おそらくみんな「なんとなく」しか知らないであろうアスベストについてちょっと勉強してみようという記事です。
なお、これらの情報はすべて、講座の内容および中央労働災害防止協会『石綿作業主任者テキスト』(令和4年)によるものです。
ちなみにこの「石綿作業主任者講習」にも、そこまでの難易度ではないですが試験があります!
これから受講される方に向けて、試験にでる(かも)よ!というところは太線にしておきます。
石綿とは
石綿は「いしわた」「せきめん」「アスベスト」とも呼ばれる繊維状鉱物の総称名です。
というわけで、この時点でも六種類あり、ものにより毒性や色などいろいろ違います。
古くは「竹取物語」にも記述がみられ、はっきりとしたものでは江戸時代に平賀源内が幕府に献上したものとしても記述があるそうです。
織物として織ることができ、引張り強度が極めて大きく、燃えないで高温に耐え、柔軟でかつ摩耗に耐え、薬品に侵されにくく、腐りにくく、熱・電気を通しにくく、他の物質との密着性に優れているというとてつもなく優秀な鉱物です。
その上、価格が安い!
もはや理想的です。でも、もし価格が高ければ、ここまでの大きな問題に発展することはなかったのです。
使われていたもの
このような夢のような素材であるために、建材、工業製品、自動車部品、化学設備、機械、電車や船、ボイラーなどありとあらゆる業界で、ありとあらゆるものに使われました。
特に、建材として多く使われました。
他に、鋳物工場等で多く使われた「石綿手袋」や消防服として活用された「石綿耐火服」、プラントの「配管シール材」、一部家電製品(トースター、ドライヤーなど)、自動車などの「ブレーキ」などもあります。
人体への影響
これだけすばらしい素材なのに、実は人体に悪影響がありました。
石綿の繊維は極めて細い針状をしており、簡単に肺などに到達してしまいます。
また、細すぎるがために目に見えませんし、体に入っても(その時は)違和感などがありません。
こうして肺胞に沈着してしまうそうです。
石綿を吸入することによって生じる疾患に「石綿肺」「肺がん」「中皮腫」「胸膜疾患」などがあります。
これらの病気は20年〜50年後に発症することが多いです。
アスベストが「静かな時限爆弾」といわれるのはこのためです。
現在禁止されているもの
現在製造等と禁止となっているのは「石綿をその重量の0.1%を超えて含有する製剤その他の物」です。
この場合の石綿とは「結晶構造」「化学組成」「繊維構造」この3つによって判定されます。
つまり現状は、ほぼ同じ鉱物でも、ちょこっとでも構造や組成が異なれば規制の対象ではありません。
そこで実は、こうした製品は今でもけっこう世の中に流通している、とのことでした。
石綿含有建材の分類
空気中にどの程度飛び散りやすいかどうかで「レベル」分けがされています。
実際の解体作業の際には、この「レベル」によって大変さが変わってきます。
(試験に出ます!)
レベル1 | 石綿含有吹付け材 | 著しく飛び散りやすい |
レベル2 | 石綿含有保温材等 | 飛び散りやすい |
レベル3 | 石綿含有成形板等 | 比較的飛び散りにくい |
石綿含有仕上げ塗材 | 比較的飛び散りにくい |
もしアスベスト含有の「吹付け材」の場合、とてつもなく大変な作業となる見込みです。
とはいえ、そのままにしておくのも大変危険です。
その他試験対策
事前調査、掲示、管理、記録、マスクの種類についてはよく勉強しておいた方がよさそうです。
あと、講師の方の「ここは試験に出ます!」のところは本当にしっかりおぼえましょう。
(本当に出ます。)
私は練習問題のときに「陽圧」と「負圧」の問題を間違えてしまい、復習をしておきました。
本番は選択肢が「イ」「ロ」「ハ」だったのがちょっとびっくりしました(笑)
冷静に考えれば大丈夫だと思うので、がんばってくださいね!
個人的感想
私はちょっと怖くなってしまい、休み時間に防塵マスクをググりました!
今後は、たとえ普通のちょっとした解体でも、絶対に防塵マスクをしようと思いました。
7月の「石綿含有建材調査者」講習に向けてがんばります!
アイ建設は解体専門業者及び産廃業者ではありません。
レベル1やレベル2の解体には特別な設備、技術が必要です。
せっかくご相談をいただきましても、対応できない可能性が高いです。
アスベストを含む建物の解体、アスベストの処分については、専門業者さんにご相談ください。