近年、建設業界では「木造建築の需要拡大」についてのニュースを目にする機会が増えてきました。
世界的にも木造建築への注目は高まっており、日本でも今後、中高層の木造建築がさらに広がっていくことが期待されています。
弊社アイ建設の会社案内でも、こうした動きを背景に、日本を含む世界各地で木造建築の需要が拡大していることや、世界中で木造ビルの建設が進んでいる状況をご紹介しています。
そこで今後、世界各国で進む新しい木造建築の事例を、ブログ内のシリーズとして少しずつご紹介していきたいと考えています。
今回は『dezeen』に発表された記事からです。
「Fraser & Partners unveils design for world’s tallest hybrid timber tower in Perth(Fraser&Partners、パースで計画中の世界で最も高い木造ハイブリット構造のタワーのデザインを公開」
(Amy Peacock | 19 December 2023 )
Australian architecture studio Fraser & Partners has revealed its design for a nearly 190-metre-tall residential tower named C6 in Perth, Australia, describing it as a “new benchmark in height for mass timber”.
Amy Peacock, Fraser & Partners unveils design for world’s tallest hybrid timber tower in Perth, 19 December 2023
Fraser & Partners says C6, which will be 189.1 metres tall, will become the world’s tallest hybrid timber housing once it is completed[.]
オーストラリアの設計事務所Fraser&Partnersは、オーストラリア・パースに建設予定の高さおよそ190メートルの高層レジデンス「C6」のデザインを公開しました。この建物は「マスティンバー(木質集成材)工法における高さの新たな基準」となるとしています。
この設計事務所によると、「C6」は高さ189.1メートルで、完成時には世界で最も高い木造ハイブリット構造の住宅になる予定です。
混構造ではあるものの、「木造建築」としては世界で最も高いビルになりそうです。
ちなみに現在、完成している木造建築で最も高いのは、アメリカ・ウィスコンシン州にある高さ86.6メートル、25階建ての建物。こちらはCLTとRC造による混構造です。
さらに2026年には、スイスで高さ100メートルの木造建築が完成予定で、こちらが完成すれば(暫定)世界一になる見込みです。
オーストラリアでは、他にシドニーでも高さ180メートル・40階建ての木造ビル計画が進行中だったのですが……
今回のプロジェクトが、計画段階で既にその記録を追い越す形になりそうで、ちょっと気の毒なきもします。
約190メートル!木造ビルの高さとは?
正直、「高さ190メートルって、実際どれくらい?」とピンと来なかったのですが、こちらのデータベースを見てイメージが湧きました。
たとえば、私たちの地元・川口の「エルザタワー55」、それから「新丸の内ビルディング」、「東京ミッドタウン日比谷」、「新宿アイランドタワー」、「渋谷ヒカリエ」などがだいたい同じくらいの高さのビルにあたります。
アイ建設の本社近くにある「エルザタワー55」は、特に目立つ存在。
近くで見ると、ものすごい高さに圧倒されます。
そんなスケール感の建物が、木造で実現できる時代に。
改めて、木造建築の可能性の広がりには驚かされます。
さいごに
まさか、190メートルもの木造ビルが現実になる時代が来るとは、驚きです。
木造建築の可能性は、いま世界中で大きく広がっています。
最近のニュースを見ていると、こうした大規模木造プロジェクトが、アメリカやオーストラリアのみならず、ヨーロッパや南米などでも次々と計画されているのがわかります。
しかも、「高さ」だけでなく、「規模(延床面積など)」の分野でも世界記録が塗り替えられつつあるようです。
次回は、そんな世界の「すごい木造建築」の新たな事例をご紹介予定です。